中央の構図は「ディエシス」の場面を基にしている。典礼が書かれた書物を持ち、豪華な司祭服に身を包んだ2人の司祭が、中央でキリストを崇めている。真っ白な照明と暗い顔とのコントラストが美しい。縁取りの冠には、聖なる巡礼地や聖カタリナを含むシナイの風景が描かれている。縁取りは浮き彫りにされ、十字架を散りばめた曲がりくねった蔓で飾られている。このテーマは感謝の象徴であり、全体の壮麗さを引き立てている。このイコンは、17世紀後半にイラクリオン(クレタ島)に住み、芸術家として名声を博し、シナイと深い関わりを持った画家ヴィクトル司祭の作品とされている。